夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


うわー、美人のボディーガードって、壮絶なイケメンがつくんだ。


イギリスのスパイ映画みたい。


白黒のモニターを宗雅の肩越しにのぞきながら碧は感心した。


「夜分に申し訳ありません。
 ダバリードと申します。
 こちらに妻がお邪魔しているかと思うのですが」


モニターからは、外見を裏切って完璧な日本語が流れてきた。


宗雅は数秒止まってから、肩越しに振り返った。


「おい」


彼女は眉をひそませる。


「いないから」

「いないって、声、聞こえているだろう。
 それに・・」


宗雅は言葉を飲み込んでから、玄関に足音高く歩いて行った。
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