夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
うっわー。
インターホンの画面で見た男が入ってくると、思わず碧は胸の内で叫んだ。
宗雅でイケメンに慣れていると思っていたが、目が釘付けだ。
イケメンの意味を超越している。
男を二人従わせているが、それがお似合いだ。
なんていうか、“お目にかかれて光栄です”って言っちゃいそう。
その男の視線が碧に向いた。
「お邪魔いたします」
碧は口が開けず、うなずくのが精一杯だった。
男は視線を巡らせて、ソファーの上に座る彼女に向けた。
一つ間が空く。
「麗華。
悪かった。
帰ろう」
“悪かった”
この男に謝罪を口にさせるなんて、とんでもない気になり、碧は身を縮めた。