夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「ああ、まあ、天下のダバリードだしな」


呟いて寄りかかっていた壁から離れ、ソファーに座った。


「あー、ってか、よかったな」

「なにがよ」


ぎろりと麗華は宗雅を睨んだ。


「ん?
 だって、死んだはずの今泉と再会できて、晴れて結婚したって事だろ。
 てっきり家の事情とかで、金持ちの爺と結婚したけど、耐え切れなくなって逃げてきた、と思ったから」


微妙な沈黙になった。


「今泉がどっかいった後、周りの人間、結構心配してたんだぞ。
 白木の奴がいなかったら、支えになってやらないと、と思ってた」

「ありがと。
 あ、碧ちゃん、ソウが言っているの、恋愛系統じゃないからね」

「当たり前。
 おまえに、そういう気持ちはない」


どきっぱりと宗雅は言い切った。
< 314 / 334 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop