夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「なんせ女と思えない」


えぇー、全然信用できないんですけど。


碧は思わず宗雅の顔をガン見する。


「あ、まあ、確かに、私もソウに男を感じないかも」

「っということ」


宗雅が突然碧を真剣な眼差しを向けたのに、碧はあせってうなずいた。


「それなのに、なんで離婚とか言い出してるかね」


麗華は急に表情を弱めて、叩いていたクッションを抱え込んだ。


しばらく黙っているのを、宗雅は根気よく待っている。


「私、さ。
 怜士が初恋じゃない」

「ああ」

「それで、他の男と付き合ったこともなくて、結婚したじゃない」


へえ~。


碧は感心したように麗華を見つめた。


くっきりした顔立ちに、メリハリのついたボディーで、その辺りはなんとなく関係が派手そうな印象がある。
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