夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
「まあ、そうだけど。
怜士、相当な策士だから、なんか裏があるんじゃない?
たとえ裏があっても、これは許される範疇を超えているから」
「聞いてみた?その裏」
「何度も、食って掛かったけど、ダメ。
あいつが私に腹の中、あかすわけないし。
それに、十分、私がこういう風に言い出して、こうなるって予測がついていたはず。
それをあえてやったということは、離婚、したかったんだと思う」
宗雅はまだ納得いかなさそうだ。
「全く、その目的が読めないんだけど。
これで離婚だと、世間的にあいつの方の落ち度になる。
そんな不利をとって、それ以上の得るものがあるということだろう?
それに、あいつが自らすっとんできて、大勢の他人の前で謝罪したんだぞ。
これも策ってか?
全然、わからん。
おまえ、もうちょっと粘れよ。
また、高校の時みたいになるぞ。
いいのか?」
宗雅と麗華はしばらくみつめあっていた。
宗雅が先にそらして、ため息をついた。