夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
スマホが震えるのに背広のポケットから取り出した。
彼女だった、香澄からのLINE。
宗雅は思わずため息をついた。
努力しろよ。
呟くと、開けずにそのまましまう。
そこで唐突に足を止めた。
え?まだ働いているの?
今更気付いて、M棟を見上げる。
悪かったな。
そこまで通常業務が押してるのか。
一瞬だけ足が躊躇したが、警備員に挨拶をして門を出た。
深入りはしない。
宗雅は自分に呟いて足早に駅へと向かっていった。