夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
「ちょっと碧ちゃんの所に行って、手伝ってくるね」
「は?」
宗雅は真顔で立ち上がった藤井を見上げた。
「嘘ぴょん。
悩み相談に乗ってくる。
どうしよう、そこから恋に発展したら」
相手にするのもバカバカしくなって、宗雅はそのままパソコンに戻った。
「ソウくん、流さないでよ~」
「うるさいので、早く行ってください」
「うん。じゃね」
望んだ沈黙が訪れて、思わずためいきをつく。
集中力が途切れてしまい、コーヒーを入れようと思い立ち上がった。
「ソウ、おれにも一つ」
すかさず後藤が後ろから声をかけた。
無言のままコーヒーを入れると、デスクに置いた。