夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「頑張りすぎだよね」

「いいんじゃないですか?
 趣味なんですよ」

「うん、そうだね。
 趣味だね」


藤井はこっくりとうなずいてグラスに口をつける。


「人生を色々と、もはや諦めちゃっている所が、可哀そうだよねえ。
 恋愛なんかも」

「・・・彼、いますよ」


嫌々ながら告げる。


「え~、この間、いないって言ったよ」

「じゃあ、別れたばっかりですかね」


この会話、めんどくさい。


宗雅はグラスを傾けた。


「それよりも藤井さん。
 このプロジェクトが終わったら、どこに異動希望を出しているんです?」

「な・い・しょ」


違った。


この先輩自体がメンドクサイ。


その後の会話を適当に流して、切り上げると地下鉄に乗った。
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