夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


いつも通りお湯が沸いている。


肩までつかってため息をつく。


やっぱり結婚なんて、ない。


っていうかそんな気がまるっきり起きない。


こんな上げ膳据え膳の生活だと。


じゃあ彼女に専業主婦になってもらえばいいじゃないか、ちょうど元彼女も希望しているんだし、と藤井に言われた


が、やっぱり違う。


息子ならではの気軽さ。


家庭を持ったら、その他の事に色々と煩わされるし。


「ないわ」


思わず呟いて、宗雅は目を閉じた。
< 72 / 334 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop