夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
いつも通りお湯が沸いている。
肩までつかってため息をつく。
やっぱり結婚なんて、ない。
っていうかそんな気がまるっきり起きない。
こんな上げ膳据え膳の生活だと。
じゃあ彼女に専業主婦になってもらえばいいじゃないか、ちょうど元彼女も希望しているんだし、と藤井に言われた
が、やっぱり違う。
息子ならではの気軽さ。
家庭を持ったら、その他の事に色々と煩わされるし。
「ないわ」
思わず呟いて、宗雅は目を閉じた。