夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「いつものことなので」


宗雅はくちびるを引き締める。


隣の席の椅子に座って、碧の顔を見据えた。


「彼が態度を改めないなら。
 変わらず嫌な思いをさせられるなら、別れてしまえば?」


なんで他人の事にこんなに首をつっこんでいるんだか。


頭の片隅で、もう一人の自分があきれていた。


たしか犬に蹴られるだよな。


馬だっけ?


「別れる?」


碧は少し目を丸くしてきょとんとした顔になった。


あ、ポーカーフェイスじゃないの、貴重。


そうじゃなかった。
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