夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「別れるのも、一つの解決手段だと思いますよ」


宗雅は立ち上がって、作業用テーブルの方に改めて席について資料を広げる。


「約束もせずに来てしまってすいません。
 一般補助の留学生の箇所で教えてほしい所があるのですが」

「はい」


碧も席から立ち上がって、作業用テーブルに寄ってきた。


「えーと。
 アドバイスありがとうございます。
 でも葵は兄なので、縁を切るっていうのも中々難しく。
 疎遠ではあるのですが・・・。
 一緒の大学に勤めているので、疎遠と言えるのかわからないのですが」


碧は言い迷いながら真摯に答えてくる。


宗雅は固まった。
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