夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


そっか。


こっちが本気で心配して口に出した内容については、ちゃんと返すんだ。


碧が家庭の事情まで話してくれたのが不思議だったが、それはこっちが本気で心配したからだ。


社交辞令的だといつも通り無表情だし、そっけない。


なんだかすごい発見をしたような気になった。


人間づきあいとしてあたりまえのことなのだが。


もう少しプライベートに踏み込んでみたくなった。


「じゃあ、彼氏にプレッシャーをかけてみるとか。
 橘樹さん、今年ちょうどキリのいい歳になるんですよね?
 誕生日とかが、いいチャンスじゃないですか?
 それに逃げる彼氏だったら、早く別れた方がいいですよ。
 男側の立場として考えると、その辺りを考えていないのはどうかと思います」


全く、言えた立場じゃないけど。


どっちかというと、自分はいい加減な部類だし。
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