夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「わかりました」


碧は静かに答えてから、作業机に戻ってきた。


やっぱり彼氏いるのか。


なんか面白くない。


碧が一般補助についての質問を答えてくれるのを見つめながら、憮然とした気持ちでいた。


そしてまた気が付いた。


今みたいな真意を知ろうとして駆け引きみたいな会話だと、彼女はちゃんと答えてくれない。


碧が顔を上げた。


二人でしばらく見つめあっていた。


どちらかというと宗雅がひたりと見つめるのに、碧が目を離せないようだった。


何がどう作用したのかわからない。


宗雅は指を碧の頬へ伸ばすと、軽くくちびるを合わせた。
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