夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)


「もう一度、やり直さない?」


それでも香澄は言い切った。


かなりの拒絶を表しているというのに、よく言えた。


そこは感心する。


「悪いけど」


宗雅はそっけなかった。


「留学、するから?」


細い声で瞳が揺らいでいる。


誰がもらした。


藤井の顔が浮かぶ。


「まあ」


宗雅は体を香澄へ返した。
< 92 / 334 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop