夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
「持ちます」
B4のファイルを3冊、碧の腕から引き上げる。
身長差から、持ち上げられると自然に碧の腕が外れた。
「すいません」
「通りがかりですから。
打ち合わせの帰りですか?」
「はい」
まだ療養中の上司は復帰していないんだろうか。
一人であの業務量を回しているのか。
「人員、増えそうですか?」
質問が突発すぎたのか、きょとんとした顔をした。
さっきまで業務配分の仕事をやっていたから、つい口に出てしまった。