白衣の王子に迫られました。
「……もう。ほんとやめてよね、心臓に悪い」
「スミマセンデシタ」
「そういえば、二次会は?」
私がそう尋ねると、森下くんは小さく肩を竦めた。
「実は、逃げてきました。ああ言うの苦手で。……そんなことより、先生こそどうしたんですか? 同棲中の彼氏とディナーだって言ってたのに」
「なんで、そのことを知ってるの?」
「ああ。春野がそういいふらしてたんですよ」
「言いふらす?」
私はがっくりと肩を落とした。
私の嘘をみんなにばらまくなんて、なんて余計なことをするんだろう。
でも、彼女を責めるわけにはいかない。これは自分でまいた種なのだから。