白衣の王子に迫られました。
「それで、先生はこれから帰ってコンビニの弁当ですか?」
森下君は私の右手に下げているコンビニ袋を指さした。
「うん、そう。じゃあね、彼がまってるから」
これ以上話をしていると、ボロが出そう。
そう思った私は森下君から逃げるように歩き出す。
それなのに彼は、「送っていきます」なんて言いながら私の後に着いてくる。放っておいてほしいのに。
「大丈夫! ひとりで帰れる」
「駄目です!危ないですから!」
「けど、もうすぐそこだし」
「いいえ! 絶対に送らせてください」
「………分かった。ありがとう」
押し問答の結果、森下君に自宅マンションまで送ってもらうことになってしまった。