白衣の王子に迫られました。
「えと、あー、あのね。これから話すこと、驚かないで聞いてくれる?」
「あーいいですけど。俺、立ってるの疲れたし、喉が渇いたな」
それはつまり、部屋に上らせてお茶を出せということか。
超絶面倒だけど、今後のことを考えたら、丁重なおもてなしをしておいたほうがいいのかも知れない。
「……あ、あがって」
「おじゃましまーす!」
「ソファーに座っ……」
そう言いかけて、その上を占拠している渇いた洗濯物に気付く。
「わああ、ごめん。いまどかす」
私は手にしていたお弁当の袋を床の上に置くと、洗濯物を両手に抱えクローゼットに押し込む。
「どうぞ」
「どうも」
「飲み物、お茶でいい?」
「はい、お茶で結構です」
(なんていったけど、あったかな、お茶)
冷蔵庫を覗くと、未開封の麦茶のペットボトルがあった。
私はそれをコップ注いでテーブルの上に置く。