白衣の王子に迫られました。

「先生はいつも何を食べているんですか?」

野菜を洗いながら森下君が聞く。

「コンビニのお弁当か、外食。昼は病院の食堂のランチ」

「飽きません?」

「そりゃね。でも、作っている暇がないし、そもそも作れないし」

「体にも悪いですよね。患者さんに食事の指導とかしている場合じゃないですよ?」

「……耳が痛いわ」

苦笑いしながら森下君を見ると、手際よく調理を進めている。

真っ赤なトマトを小さなナイフで切り分けて、ちぎったレタスの上に盛りつける。

それからさらにヤングコーンと玉ねぎ、ツナが添えられて、あっという間に豪華なサラダの完成だ。

「まず、一品目」

ドレッシングと一緒にテーブルに載せられる。とてもおいしそう。

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