白衣の王子に迫られました。
「え、帰るの?」
てっきり一緒にご飯を食べるものと思っていた私はそう聞き返す。
すると森下君は少し驚いたような顔をして、小さく首を傾げた。
「まだ、居てもいいんですか?」
すっかりしおらしくなってしまった森下君を見て、思わず忘れそうになったけれど、森下君には私を襲おうとしたと言う“前科”があるのだ。
「あ、いや……それはさすがに……よくないかも」
「ですよね。でもたまにならいいですか? 掃除とか、料理をしにここに来ても」
「掃除と料理だけならね」
私はそう念を押し、森下くんは「それでも構わないのでまた来ます」そういって玄関のドアを閉めた。