白衣の王子に迫られました。
「……どれどれ」
香月君の指が私のお腹にじかに触れる。
「やあん、ちょっと、くすぐったい」
思わず身を捩った。
「へんな声出さないの」
「だって、香月くんがそんなとこ触るからじゃない」
「変なとこってどこだよ、ココ?」
「や、ばか。だめだって」
これは女子同士のじゃれ合い。
でも、そんなつもりでいるのは私たちだけ。
誰かに見られでもしたら、大変なことになる。
そう、とても大変なことに……。