シアワセの定義
1時間くらいするとみんななんとなくペアができていて、2次会はありそうだな~とか思っていると、
「元気だった?」
昔と変わらない笑顔で聞いてくる裕希。
「うん、裕希こそ元気だった?」
「おう、結衣と大学近かったんだな(笑)」
「ね、私もびっくりした。全然知らなかった。」
久しぶりに話す声はやっぱり落ち着くことができて、この人を3年間忘れられなかったんだなって昔の気持ちを引き出されてくる。
「連絡先交換しよ。」
「うん、いーよ!」
スマホを取り出し、流行りのSNSアプリで交換すると、ゆうきと書かれた名前と大学の友達らしき人たちと笑っているプロフィール画像。やっぱり変わってない。
「お前プリでも顔かわんねーな。」
「かわいくなってないの!?ねぇ!?」
「違うから、実物でもかわいいよ(笑)」
そんなこと言われると昔みたいに舞い上がってしまう。ダメだもうこの人に惹かれていくのは…。

結局3時間くらい食べたり飲んだりして2次会はなく、はやめに家に帰れた。
アパートまで帰ったところでスマホが震えた。
【今日は楽しかった~2人でご飯でも行かない?】
私が期待してた人ではなかった。いや、なにを期待してるんだろう…。帰り際に聞かれた人だった。この人とは行きたいとは思わないし…適当に断ろう。そう思って部屋の鍵をあけた。
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