リンゴ好きのシンデレラ
時計を見れば、もう7時過ぎで 時間が経つのは本当に早いなと実感した。


横の人を見ると、すぴー。と小さな声を出して寝ていた。



・・・全く。
「手伝わせて!」と言った本人が
まさかの寝るとは・・・。


「しょうがないですね。」


沙良はそう言うと、自分の制服の上着を
広瀬の背中に乗せた。


最近は雪景色になっていて、とても寒そうだったから。


沙良は手に吐いた息で、両手を擦った。

その息は、寒いからか白く染まっていたのだった。


ふと、広瀬の方を見ると、可愛い寝顔でまるで子犬の様な顔つきをしていた。


「寝顔だけは、可愛いのに。」


少し、失礼な事を言った後、まだ残っている課題を再開した。
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