リンゴ好きのシンデレラ
そう一言だけ言うと、顔に付けていた手とカンを離した。


そして、「よいしょ」と言いながらさり気なく私の隣へ座った。


彼の横顔をみると、目の下にクマができていて、ゲームか勉強をしていたんだなと沙良は察した。


「ん、これ。」


すると、今度は沙良の両手を持ち上げ、そこにレモンティーを強制的に持たせたのだ。


「寒いのね、ココ。」


「そう・・・ですね。」


「で、思い出してくれました?」


「・・・・。」


「あ、また無視してる。」と言い、広瀬くんは自分のミルクティーに手を出した。


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