白い隊服
「起きたのか。」
障子の方を見ると、2人の男が立っていた。
一人は艶やかな黒髪をひとつに結っていて、少し眉間にしわがよっている。
もう一人は優しそうな顔をした体の大きな男の人だった。
誰だろう。昨日は見なかったけど…。
「はい。あの、あなた方は…?」
「俺は壬生浪士組副長の土方歳三。」
「私は局長の近藤勇だ。」
そ、そんなえらい方々がわざわざ私のところへ…?
急いで布団から出て正座をし、深々と礼をする。
「私は御堂優月と申します。
昨夜は泊めていただき、ありがとうございました。」
「原田から聞いている。
昨日はうちの隊士が世話になった。
礼を言う。」
土方さんが少し頭を下げる。
気が強そうな人のように見えたけど、ちゃんとお礼は言えるのね。
その辺は最近の武士と違っているようにみえる。
「いえ、こちらは当然のことをしたまでですので。」