白い隊服
おずおずと土方副長の方を見るとぽかんとした顔でこちらを見ていた。
「あの、副長?」
返答がないので少し首をかしげる。
「あの、芹沢鴨を殴った...?
お前が...?」
「は、はい。やはりまずかったでしょうか。
本人は笑っておられましたが...。
ど、どうしましょう、明日、菓子折りを持って改めて謝罪したほうが...。」
一人であたふたしていると、正面からクククッと笑いをこらえるような声が聞こえてきた。
「ククッ…ハハハハッ!!!
お前が、芹沢を殴った!
ハハハハッ!!
そんなの、幹部連中でもできねえだろうなぁ!
なのにお前、本当ッ... ククッ...ハハハッ!!」
こんなに笑っている土方副長を見たことがあっただろうか。
いや、少なくとも私がここに来てからは一度もない。
「そ、そんなに笑うことでしょうか!?」
こっちは殴ったなんて知らせたら何を言われるかとヒヤヒヤしたのに。
こんなに高笑いしている副長を見た驚きで、先程までの深刻な雰囲気は塵と化した。