白い隊服
「おーい、何騒いでんだ?夕餉の時間だぜ?」
「土方さんがこんなに笑ってるなんて、何かあったのか?」
ふいに開けられた障子から二人の男が顔を覗かせていた。
「ああ、永倉、原田、聞いてくれ。
こいつがな、あの芹沢を殴ったそうだ。
クククッ...!信じられるか?!」
あ~腹痛え、と言いながら自身の腹をさする副長。
「ひ、土方副長!それはっ...」
ああ、どうして話してしまったのか。
こんなことを二人が知ったら間違いなく明日には屯所全体に広がっているだろう。
「な、なんだって...!?あの芹沢さんを...!?」
「お、おいおい、なんでそんな危ないことできるんだよ...。」
永倉先生は目を見開いて驚愕し、原田先生は目を閉じて呆れたように頭をかいていた。
「ち、違うんです!
私は掴まれた手を退かそうとしただけで...あくまで防衛のためです!」
慌てて弁解するも、言葉選びがまずかったのか、さらに突っ込まれてしまう。
「あ?!掴まれたって、何でだよ!?」
「てか何でそんな状況になってんだ...?」
「ああ、もう...」
私はぐだりと項垂れた。
また一から説明しなおしだ...。
「とりあえず夕餉に行くぞ。話はそれからだ。」
土方副長が私達を夕餉を食べる大広間へと促す。
もう、誰のせいで...!
と心の中で密かに悪態をつく。
食事のときに皆から質問攻めにあったのは言うまでもないーーー...。