青空
「おーい松川〜起きろよ」

目を開けると岡野のドアップが目に入ってきた。

「ちょ、なに?」

慌てて起き上がると

「もう放課後」

と岡野は呆れながら言う。

「え」

時計を見るともう5時少し前。

「俺、何回も起こしたんだからな?」

「嘘。女子の寝顔見るなんて最低〜」

少しからかうと

「起きないほうが悪い」

とそっぽを向いてしまった。

「ごめんごめん、起こしてくれてありがとう」

「ドーナツ2個で許す」

「は?食い意地」

そう言うと岡野は再びこっちを向いてはにかむように笑った。

肌が黒いからか、無駄に歯は白く見えて。

寝癖なのか、髪は少し乱れていて。

にくめない幼い顔に少し心臓のあたりがキュっと締め付けられた。
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