青空
さっきまで静かだった教室はガヤガヤと騒ぎ始める。

藍、梨奈、ゆりなは3人で仲良さそうにお喋りしている。

きっと梨奈が藍のこと引き止めたんだろうな。

それよりも日誌を書かなきゃ。

昨日の夜から入れっぱなしだった日誌を手に取る。

やっぱり2ページ目からは白紙だ。


今日の天気
  晴れ

欠席者
  なし

遅刻者
  なし

ここまでは朝書けるだろう。

残りは早退者、授業の内容、教科教師名、1日の反省など

そこまで長くないものだった。

できるだけ綺麗な字で書くとパタンと日誌を閉じた。

「松川〜」

急に呼ばれると驚く。

声のする方を見ると笑顔で歩いてくる岡野が目に入った。

「今日行かね?」

行くと言うのはきっと先生のお見舞い。

「行く」

短い返事を返すと岡野は
 「忘れんなよ」とだけ言って来た道を引き返していった。

忘れんなよって言葉をそのまま岡野に返してあげたい。

今日だって挨拶を忘れていたのだから。

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