キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
そう言えば、あの番組今日だったな…!
いつも見てるバラエティ番組が十一時から始まるんだけど…お風呂まだだったなぁ。
それ見た後だと遅くなっちゃうし、ぱっと入るか。
「蒼、私お風呂入ってくるね。
もし美保ちゃんが帰ってきたら、テーブルに一応夕飯置いといたから、って伝えといてくれない?」
テレビを見ながらソファでくつろいでいた蒼は、首だけこちらを向けた。
「え、俺も入りたいんだけど」
「えー私十一時から観たいのあるんだけどー。
てか、あんたさっき家の入るって言ってたじゃん!」
「めんどくなった。
蓮ん家の入ってから帰る」
はぁ?
あんなに『入らない』って言い張ってたのに、どういうことよ。
まぁいいや。
「蒼も観たいのあるの?」
「別にないけど。
普通お客さんが一番風呂もらうもんだろ」
「うるさい。
あんたはお客じゃなくて、転がり込んできただけでしょ」
じゃあ先もらうからー、と言い残すと、蒼は手だけ上げて悠々と振った。