キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
「…びっくりさせんなよ、蓮。
やっぱり一緒に入りたいとか言っても、いまさら無理だぞ」
「だ、誰が…!
私はただ、バスタオル忘れたから…」
「バスタオル?」
器用に片眉を寄せながら、蒼は濡れそぼる頭からタオルをかぶった。
って、そのバスタオル…
私が中学生の頃から使ってる、キャラもののネコちゃんのだーっ!
洗濯が間に合わなかった時にたまに使っている、キラキラおめめと長いまつ毛をした黒ネコちゃんバスタオル。
蒼の男らしい身体とのギャップが、すごいよ…。
「そ…それあたしのバスタオルなんだけど…」
「だろ?
おばさんのは使えないと思ってさ。
おまえ、まだこんなガキ用みたいなの使ってんだな。
なんだよこのキャルンキャルンしたネコちゃん。
ぷっ。ギャップ激しいな」
「それはこっちのセリフっ!
もう!返してよっ」
かぁああと恥ずかしくなって、思わず駆け寄って手を伸ばした。
けど、その手はネコちゃんバスタオルをつかむことなく、
スッ
とバスケでつちかった動きなのかなんなのか、さっと身を引かれて、あえなく空をつかむ…。
そして、その拍子にバランスを崩して、
ぺちん
って倒れ込んでしまった。
蒼の胸に…。