キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
幸い、通りすがりの大人に助けてもらえて、慌てて捜しにやってきた美保ちゃんとすぐ会えたけど。
その日の恐怖は、トラウマとなって心に消えない傷を作った。
雷の容赦ない轟音を聞くと、理由もなく不安が押し寄せてきて、涙が込み上げてきてしまう。
途方も無さに打ちのめされて、息が止まったかのように身動きができなくなってしまうんだ…。
それでも幾分か成長した私は、息せき切りながら、玄関にまで駆け込むことができた。
ほっと一息つくけれど、制服はびしゃびしゃ、髪もべちゃべちゃだった。
ひたひたになった靴下で廊下を歩いた。
家には当然誰もいなかった。
いつも通り、しんとした廊下が私を迎える。
それにしても…
天気のせいかもしれないけど…
こんなに暗かったかな…。
私は暗い廊下の中で小さく笑みを浮かべた。
おかしな話。
独りで家に帰るのは当たり前のことだったのに、なにを今更
寂しい
なんて思うんだろう…。
ゴォオオン!!
急に家の中にいても驚くような轟音が聞こえて、私はその場にしゃがみこんだ。
美保ちゃん…
お母さん…!
スマホにすがると、美保ちゃんからラインが届いていた。