キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
頬を覆っていた手が、そっと私の濡れた目元を撫でた。
「泣いてたのか?」
「別に…泣いてなんか、ない」
「嘘つけ。
独りぼっちで寂しくて、どうしようもなくて泣いてたんだろ。
ほんと、泣き虫だよな」
「……」
「良かったな。俺が来て」
「べ、別にあんたなんか、待ってなかったんだから…っ」
「ふぅん、そ。
じゃ、俺のこと突き離せば?
なに安心しきってゆだねちゃってんの?」
「…っあ」
抱きしめられた。
壊れものを扱うみたいに、柔らかく優しく。
「もっと、ぎゅって、してほしい?」
耳に唇を押し付けられて、ささやかれた。
とびきりエロい声で…。
びくびくっと鳥肌が立って、腰が砕けそうになるけど…
蒼にばれないように、必死に背筋に力を入れる。
なによもう…。
いい加減…
離れなきゃ、身が持たない。
と、手を突っぱねようとした、けど。
ゴロゴロゴロ…!
「きゃっ」
突然また雷が鳴って、つい蒼の胸にしがみついてしまった…。