キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
低く笑って、蒼はそんな私の背中を子供をあやすように撫でる。
「誰だって怖いものはあるよな。
大丈夫。
俺がずっとこうしてるから安心して」
「……」
「蓮には、俺がいるからな。
独りなんかじゃ、ないよ」
…『独り』だなんて、
ちょっと前までは感じてなかったよ…。
いつも同じ学校生活を送って、
いつだって蒼はただの幼なじみだったから…。
『独り』だなんて思ったのは、蒼のせいだよ。
蒼が急に『ずっと好きだった』なんて言うから、
急に日常が違う世界にシフトしちゃって、置いてきぼりって感じたんじゃない…。
それなのに、『俺がいるから独りじゃない』なんて…
俺サマな台詞言って、振り回して…。
もう、ドキドキが止まらない…。
蒼の言動ひとつひとつに、胸が壊れそうになる…。
私…変わってく。
蒼のせいで、今まで知らなかった私に、どんどん変わっていくのを感じる…。
私…もう
蒼のこと…。