キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~



…電話でなきゃよかった。



頭が余計にグラグラしてきた気がする。

切ってやろうか、

とスマホを耳から離したけど、



『ま、そりゃ冗談だけど…。

でも、羨ましいよ。そういうの』





不意に真面目な声が聞こえて、留まった。





『片想いしてんのは、ほんとなんだろ?
おまえ見てたらわかんもん。
ま、『誰か』までは、わかんねぇけど』


「……」


『いいんじゃね、そういうの。
それだけ真剣な想いを持ってるってことだろ。
本音言うと…ちょっとうらやましって思うんだ。
俺はまだ、そういうのないからさ…』





こいつ…案外…。



喜怒哀楽の喜と楽しか持ち合わせていないと思っていたのに、思いもよらない哀の部分を見せられて戸惑った。



なんだよ、急に…。



かける言葉に迷うじゃねぇか…
< 195 / 281 >

この作品をシェア

pagetop