キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
…電話でなきゃよかった。
頭が余計にグラグラしてきた気がする。
切ってやろうか、
とスマホを耳から離したけど、
『ま、そりゃ冗談だけど…。
でも、羨ましいよ。そういうの』
不意に真面目な声が聞こえて、留まった。
『片想いしてんのは、ほんとなんだろ?
おまえ見てたらわかんもん。
ま、『誰か』までは、わかんねぇけど』
「……」
『いいんじゃね、そういうの。
それだけ真剣な想いを持ってるってことだろ。
本音言うと…ちょっとうらやましって思うんだ。
俺はまだ、そういうのないからさ…』
こいつ…案外…。
喜怒哀楽の喜と楽しか持ち合わせていないと思っていたのに、思いもよらない哀の部分を見せられて戸惑った。
なんだよ、急に…。
かける言葉に迷うじゃねぇか…