キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~





『…今ちょうどしゃべってたんすよー。
代わる?』

『え、いいよ…!』



と戸惑っている声がすでにこっちに聞こえてくる。



『世話の焼ける幼なじみいたわってやってくださいよー』

『いいってば…!
別に話すことなんてないし』

『えーでも心配してたじゃないすかー』

『心配なんてしてないよ…!』





はぁ…?





心配してない、だと??





たしかに昨日はひどいことをやらかしちまったけど、それ以前はおまえを思って雨の中を大急ぎで帰って来てやったんだぞ?

おまえだって安心しきって抱かれてたじゃないか。



風邪の大元はおまえだってのに、心配のひとつもしてないだと?





ムカつくな…。





スマホの向こうではしばらく押し付け合いみたいな雑音が聞こえていたけど、やがてしんとなった。

押し黙っているような雰囲気が伝わる沈黙だった。



蓮に代わったみたいだった。
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