キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
『オオカミなんだからね!』
やっぱり…美保ちゃんの言う通りだと思う。
まっすぐに私を見降ろす目は、怖いくらい鋭くて…
にらみすえられた子羊みたいに、私は固まってしまう。
「やっぱ、ダメ?」
「……」
「もう滅多にないよ?
こんな風にふたりっきりで過ごせるチャンスなんてさ…」
そうだけど…
そうだけど…
どうして?
どうしてそんなにせっかちなの?
私、もっと、大切にされたいよ…。
「そ、そんなの…」
「困る?」
こくん…と私はうつむいた。
だって…まだ私、蒼に『好き』って気持ちさえも伝えられてないんだよ?
「だよなぁ」
ふぅと短く溜息をつくと、蒼は私から離れた。
その顔は、無表情だった。けど、
怒った…かな…。
かえって不安になる。
ちょっと前までは、『そうですか』って平然としていられたはずなのに…。
蒼に恋してからは…
信じられないくらい臆病者になってしまった。
くやしいよ…。
でも
蒼に嫌われたくない…。