キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
「不思議だよな。
片想いしていた頃は『手に入れたら何でもしてやる』って思ってたのに…。
いざ手に入れたら、絶対離したくなくて、不安になるんだ…。
抑えがきかなくなって、蓮が嫌がることして嫌われたらどうしよう、って。
ほんとは、こうやっていることもまだ『夢みたいだ』って思ってるんだからな」
蒼…。
ドキドキが、止まらない。
言葉だけで、泣きそうになる…。
蒼の手がそっと頬を包んで、
口付けされる。
ちょっと長めの、互いの温もりを確かめ合うようなキス。
すごい…とろけそうになる…。
ふぁ、って思わず開いた唇に蒼の温もりが入ってきて…。
蜜のような味に、胸まできゅんと甘くうずく…。
腰をそっと撫でられて、ぞくりとする感覚に、思わず声をあげた。
「……ごめん…言ったそばから…」
「ちがうの…。
だって…太ってるし」
「太ってねぇよ。
前言ったのは冗談だって。
おまえ無防備だったから、よく腹チラみせてたけど、全然気にしなくていいし。
むしろ、すげー好きなスタイル」
「ほんと…?」
「てか、おまえスタイルいいって人気あるんだけど」
「え…えええ…?」
「そういうの聞くたびに、俺がどんな思いでいたか、知らないんだろうな、おまえ…。
すっげぇ焦って、他のヤツに取られちまうの考えたらムカついて仕方なくて…なまじ、他のヤツよりいろいろ知ってる分、気が気じゃなかった」
ぎゅうと抱き締められて、すっぽりと長い腕の中にしまわれる。
「ぜんぶ俺のもの…?」
「……」
「今すぐじゃなくても、近い将来、俺が全部もらっていい…?」
「……」
「好きだよ。
大好きだ、蓮…」
心からの幸せを囁くようなその声は、穏やかで、とても優しくて、
私の胸をも、温かく幸福に満たしてくれる。
好き…。
蒼…。
私もすごく好きだよ…。
腕の中で頭をあげて、蒼をじっと見つめる。
同じように、じっと見つめ返してくれる優しい目…。
そのきれいな瞳に向かって、じんじんと火照る胸を押さえて、訴えようとするけれど。
胸が苦しくて泣きそうになって…『す…』と言いかけて、少し鼓動が早くなっている胸に頬をよせる。