キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
映画は、私は結構観るんだけど、蒼はあんまし興味ないらしい。
たしかに蒼って、バスケ始めてからは身体動かして遊びまわってばかりになって、家で遊ぶこと少なくなったもんな。
でも、そんな蒼にも、一応好きでよく見るジャンルがあるらしい…。
「ホラー…!?」
蒼に手を引かれた私は、異様な雰囲気のする棚の間に来て立ち止まった。
ホラーコーナー。
ここだけ、パッケージのせいでくらーく、こわーく感じるんだよねぇ…。
「なに観るー?」
「やだ!ホラーなんか観ないっ」
私はコメディとかアクションが好きなの!
ホラーなんて絶対無理!
パッケージ見るのさえ怖いんだからっ。
「おまえってほんと見かけ倒しだよなー。
『こんなの作り物でしょ?』とか言って平然と観てそうなのに」
「見かけは関係ないでしょ!」
「あ、これ、前観たヤツの続編だ。
面白そうじゃね?」
「やだぁ!
見せないでよぉお」
「あはっはは。
なにが怖いんだよ、たいした怖い表紙表紙じゃないじゃん、ほら」
「やだやだっ!
もう、いじわるッ!
もう私別のとこ見てるっ」
すたすたといつも向かうファンタジーやコメディのコーナーに避難する。
ふぅ…こっちは色鮮やかだ…。
動物やコミカルな女の子の表紙が、怯えて疲れた心を癒してくれる…。