キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
なにやってるの、私…。
みっともない…。
けどもう、いろんな感情で胸が壊れそうで…
「蓮っ!」
蒼の手に捕えられていた時には、泣き崩れる寸前だった。
「離してよっ!」
「なに怒ってんだよ」
「怒ってないっ」
「怒ってるだろ」
ドン、と押し付けられたのは、建物の冷たいコンクリート壁だった。
蒼の真剣な眼差しが、街路灯の光を跳ね返して、私を見下ろしている。
「もしかして…
嫉妬した、とか…?」
「…」
絶句する。
胸がズキリと痛む。
図星を突かれた痛みだった。
そう。
私は嫉妬していた。
もう別れた人なのに。
蒼とはもうなんともない、昔の人なのに、
嫌な気持ちになっていた。
胸がじんじん痛んで…腹を立てていた。
これが、嫉妬なの…?
いやだ…すごく嫌な気持ち…。
こんな気持ち…持ちたくないよ…。
と思った瞬間、頬に熱い雫が弾けた。
そうして数秒後、同じ頬に温かく柔らかい感触を感じた。