キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
「なんか蒼、昨日からずっとぼーっとしてんなぁ。
もしかして好きなコのことでも考えちゃってるわけー?」
ぎく
岳緒に蓮とのことを知られるのはまずい。
蓮との約束もあるが、岳緒は蓮のファンだ。
『おまえに蓮さんは似合わないだの』なんだの、難癖つけられるとむかつく。
っていうか。
ずっと気になってたんだが…
こいつの蓮への気持ちって、本音はどこまでのものなんだろう。
芸能人に憧れるようなもの、って本人も言っていたし、
言動から考えても、そうなんだろうけど、本当にそれだけの気持ちなのか?
「いいよなぁ蒼、セイシュンしちゃってさー」
「…しんどいだけの片想いだぞ…」
「って言ったって、終わってないだけいいだろ。
…俺なんか、振られたてほやほやで、ハートブレイク中だっていうのに…はぁ」
…やっぱり考えすぎかな。
だって今岳緒は彼女に振られたショックで、こんなにも痛々しく傷心中だ。
こうまで凹んでる岳緒は珍しい。
それだけ本気だったってことなんだな。