キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
校舎で待っているはずの蓮が、どうしたわけか、体育館の入口で待っていた。
蓮は岳緒の大声におどろきつつ、俺の姿をも確認すると、はにかんだ笑顔を浮かべた。
来ちゃった、
と言いたげな顔だ。
くっそ、こんな時まで可愛いことしなくていいんだよ…!
岳緒は蓮に近づいていく。
回りにはまだ帰宅生徒や、他の部活生徒、その見学者とかが多く残っていた。
まさかここで告るのか??
信じられないけど、岳緒はそう簡単に物怖じして引き下がるタイプじゃない。
「岳緒…っ、待てって」
「わり、蒼。
おまえと話してる場合じゃない」
聞く耳持たない岳緒は、蓮の前に立ちはだかると、高い背を丸めて蓮の手を握った。
蓮はきょとんとして、岳緒を見つめている。
岳緒の顔が見る間に真っ赤になった。
『やべ』とひとりごちているけれど…手はつかんだままでいる。
「どうしたの岳緒くん?
…手痛いよ…」
「蓮さん、俺ずっと前から…」
「岳緒…くん?」
「やめろ!」
その手を叩き落としたのは俺だった。