キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
蒼の息が荒くなってきて、貪るように唇を重ねられる。
覆い被さられるように、壁に押し付けられる。
カサ…
その拍子に、私のパーカーのポケットから、落ちたものがあった。
横目にそれを見て、さすがに私は意識をひんやりとさせる。
真四角の一見、薬みたいなパッケージ。
それは、さっき明姫奈に押し付けられたものだった…。
やだ…拾わなきゃ…!
けど、遅かった。
蒼は気づいていた。
「…なんだよ、これ」
「こ、これはあ、明姫奈が…」
「…やるね、あのコ」
蒼は焦るように視線を外した。
「しまえよ。
そんなの見たら俺、スイッチ入っちゃうから…さ…」
てか、もうすでにヤバいから…。
と私を離そうとした蒼の手に、
私はそっと、自分の手を乗せた。
「いいよ…蒼」
「……」
「私、前に進みたい。
蒼と一緒に…」
蒼は目を見開いて、私を見つめた。
「マジかよ…」
うん、とうなづく。
「蒼に全部あげたい…
大切にしてほしい…」