キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~




「身体、大丈夫か?
まだ痛む?」


蒼が歩きながら私の耳にそっと話し掛けた。



「…うん。まだちょっと痛いけど、大丈夫」


「痛いのかぁ…。
俺ちょっと加減足りなかった…?」


「そ、そんなことないよ」



すごく、優しくしてくれたし…。



まだ数時間しか経っていない幸せな、一生の思い出に残る夜のことを思い出して、

私の胸はドキドキし始める…。



屋上には、お天気がいい日にしては珍しく、人がいなかった。



蒼はふりむくと頬を撫でてくれた。



「じゃあ、気持ちかった…?」


「ん…」


「そっか…」



蒼は本当に嬉しそうに、ふんわりと笑った



「じゃあさ、好きって言って?」


「ええ…」



その言葉は…そんなに簡単には言わないよ…。



「いいじゃん。
昨日はあんなに言ってくれたのに」


「……」



昨日の夜は…気持ち良くてなんだか胸が一杯で…。



蒼にエッチな声で責められるまま、いっぱいいっぱい『好き』って言わされてしまったんだった…。



「じゃ、今日も聞かせてもらおうかな。
ベッドで、ふたりっきりで…」


「…っもう…!」



いじわる!



と、言おうとしたところでラインが鳴った。



見ると美保ちゃんからだった。
< 280 / 281 >

この作品をシェア

pagetop