キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
「幼なじみ、ね。
小さい頃から、いつも近くにいたんだろ?」
先輩はおもむろにドリブルを始めた。
床を打つそのリズムに合わせるようなゆっくりとした口調は、どことなく威圧的だ。
「そうっすけど、だからなんすか」
腰を沈めて、俺もかまえる。
嘲笑うように俺を見つめる目は、その背後のゴールをも見据えている、と感じた。
ワンオンワンで先輩に勝ったことは少ない。
この人のドリブルとフットワークは超一級。
ここ一番の突破力は県内随一と言われた。
推薦が決まったのも、きっとこの実力を見込まれてだと思う。