キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
ふぅん。
先輩らしくないすね。
引退の置き土産かなんか知らないけど。
こんな回りくどい説教なんか、しなくていいのに…。
「ってかおまえ、元部長パシらせるのか。
おら、とっとと行って、ボールもらってこい」
にらまれて、俺は大人しくのろのろと蓮の元に向かった。
蓮は、いつものように綺麗に、だけど憎たらしく無防備に笑って、俺を待っていた。
「蒼ってば、かっこわるー。
全然先輩にかなわないじゃない」
「…るせぇな。
早くよこせよ」
手を伸ばしたけど、蓮はふざけてボールをそらした。
「やめなって。
先輩とワンオンワンやって、勝てるわけないんだから」
なにも知らず、気づかず、
蓮はノンキにケラケラ笑う。
ああほんと。
どいつもこいつも無神経で。
っと、ムカつく。