キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~




「テキトーに座って待っててよ。
下ごしらえしていた魚も一緒につくっちゃうから、ちょっとかかるよ」


「いいよ、魚は…」



蓮はずんずんと近寄ってくると、俺をにらみ上げた。



「そんなこと言っても、きちんと食べてもらいますからね。
好き嫌いしたら、おっきくなれないんだから。

…って、もう十分おっきいけど」



と、おもしろくなさそうに視線をそらすと、蓮はポニーテールを揺らしてキッチンに戻った。



「あ、そうだ。
先にお風呂入ってきたら?」


「風呂…?」


「うん。洗ってあるし」



突然の言葉に、俺は瞬時に顔が熱くなるのを感じながら首を振った。



「いいよ別に。家帰ったら入るから」


「遠慮しなくていいのにー」


「……」



別に遠慮なんかしてない。

小さい頃ならともかく…今の蓮と同じ風呂なんか入れるわけない…。

俺は話を切り上げるべく、ソファに腰掛けテレビを点けた、が。





「あ!!
しまったーーー!!」



< 68 / 281 >

この作品をシェア

pagetop