キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
「…大きすぎるんだけど」
「当たり前だろ」
蓮は真っ赤になりながらにらんできた。
「はずかしいよ…っ」
「うるせぇな。
今日は俺の言うこと、なんでも聞くんだろ」
「…」
「ほら、袖通せよ」
しぶしぶと袖を通して腕まくりをするけれど、すぐにズルズルと落ちてきてしまう。
かろうじてちょっとだけ指が出るのであきらめた蓮だったが―――
なんか、ヤベ…。
俺は思わず緩みそうになる口元を手で隠した。
これは…俗にいう萌えってやつじゃないだろうか。
勝気で態度が大きいから意識してなかったけど…やっぱり蓮も、か弱い女ってやつなんだよな。
俺のジャージを羽織っている姿は、いつもよりずっと華奢で頼りなく見えて胸が騒ぐ。
また恥ずかしそうにしている表情がたまらなくて…
すっげぇ可愛い…。
「…ほら、早く行くぞ」
襟の中に入っていたポニーテールを出してやると、
俺はブカブカの袖の上から細い手首をつかんで玄関を出た。