キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~

しおらしくなっているのをいいことに、俺はさらに説教を続ける。



「あと人前でそういう格好も控えろ」


「…は?
いいじゃないジャージ羽織ってるんだから」


「今の話じゃなくて、家にいる時の話だ。
おばさんといる時は、今の格好でもいいかもしれないけど…
…今夜は俺もいるんだから」



蓮は意味不明なことを聞いたとのばかりに、眉間に八の字を作って俺を見上げた。



「…え、なんで?」



なんで、って…。



「いや…だから…
おばさんは家族だけど、俺はちがうから…」


「蒼だって変わんないでしょ。
一応…蒼だって、家族みたいなもんだよ…?」





紅い顔でぽそりと言った蓮の言葉に、

きっと悪意は全然ないんだと思う。



けど、それだけに、

俺の胸はずきりと鈍く深く痛んだ。





「ああそ。
家族、ね」





つまりは、『男』と見てないってことか。





「なに?
その意味深な反応」


「…別に」





そうこうしている内に、コンビニが見えてきた。
< 74 / 281 >

この作品をシェア

pagetop