キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~





なんて見つめていた、その時だった。



「な、あのジャージ着たコ、すげーイケてね?」


「あ?
お、ほんとだ。イイねぇ」



俺のすぐ近くで煙草をふかして、これから行く遊び場の話題で盛り上がっていた兄さんたちが、ガラス窓越しに蓮を見て言い合った。



「ちょっと行って誘って来ようぜ」


「でもあれ高校生じゃね?」


「こんな時間に出歩いてんなら、慣れてるコだって。
案外簡単にノってくるかもしれねぇぞ」


「そっかぁ?
じゃ、ちょっと誘って…

って…!」



と、入ろうとしたところで、兄さんのひとりがドアの縁に肩をぶつけた。



「あ、サーセン」



俺がふたりに割り込んで、兄さんをど突いたからだ。



「はぁ!?このガキ、ぶつかっといてなんだその謝りか…」



俺は冷ややかな目で兄さんを思いっきりにらみつけてやった。

170そこそこの身長と貧弱なガタイした野郎に負ける気はまったくしなかったし。



15センチ上からにらみつけられてさすがにビビったのか、兄さんたちは何も言わず、店内にも入ってこなかった。



足早に向かうと、俺は蓮の腕を取った。



「いつまで悩んでんだよ、いやしいやつだな」


「っ…い、いいじゃない」


「どっちも買えばいいだろ。早く済ませろ」



そして会計を終わらすと、引きずるように蓮を連れて店を出た。
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